ケガや事故、病気などのやむを得ない手術を経験され、抜糸を終え、既に医師から完治と診断されてはいるものの、ケガの縫合痕、手術の開胸・開腹跡の周りの痛みやひきつれ、違和感がなかなか消えないことにお悩みではないでしょうか?
外科的手術では、身体にメスを入れるため、術後には、身体の組織の至る箇所で炎症が発生します。
正常な組織と異なり、炎症を負った組織は、円滑さを失ってしまうため、周囲の筋肉・骨・靭帯・腱などと絡みあってしまう性質を帯びて「癒着」として自然治癒では回復されないまま、傷口やその奥の組織に残り続け、痛みや鈍痛、ひきつれ、違和感などを引き起こします。
まずここでは手術を受けた病院での診察、治療が終えた後に、痛みや違和感を感じてしまう場面をいくつか紹介します。
深呼吸や咳などをしたとき
肺がんや乳がんなど、重度の病気の開胸手術をされた方が良く感じる痛みです。
深呼吸や咳はたくさん空気を吸い込み、肺を膨らませたあとに、たくさんの空気を排出する運動であるため、上体部の組織が激しく伸縮します。
手術によって癒着した組織は、呼吸運動に伴う伸縮を妨げてしまうため、痛みや圧迫感を感じるようになってしまいます。
立ち上がったり座ったり、離床したとき
立ったり座ったり、起き上がったりしたりする運動は、腹筋の力を必要とするため、開腹手術などの傷跡に圧力や張力、捻れといった力が加わります。
癒着した組織は、このような動きを妨げてしまうため、痛みや引っ張り感を感じてしまいます。
便秘やガスでお腹が膨らんで痛いとき
開腹手術された方の多くは、手術以降、便秘や腸内に溜まったガスなどにより、お腹が大きく膨れてしまうことがあり、腹痛や内側から外側への膨張感や、不快感などに悩まされます。
これらは、腸の捻じれなどによるもので、長時間の歩行や座りっぱなしなど、特定の動作や姿勢を取り続けることが困難な状況に陥りやすく、生活に支障をきたしている方も少なくはありません。
このような症状は手術後の炎症が招く、腸の癒着によるところが大きく、あまりにも症状がひどい場合は、癒着した腸を切り離すための手術が改めて行われる場合があります。
歩行や階段の昇り降りをしたとき
膝、腰などは歩行や階段の上り下りの際に、周囲の筋肉や靭帯が伸縮させて関節を大きく曲げる動作であるため、可動範囲が広くなります。
このような場合、手術後に出来てしまった癒着組織が妨げとなり、身体に痛みや動きにくさを起こします。
帝王切開による出産後
帝王切開での出産は、お腹を大きく開腹するため、かなり大きな手術痕が残ります。(切開は「縦に切る」ケースと「横に切る」ケースがありますが、鍼灸などの東洋医学の考え方においては、横に切る場合の方がツボの流れを多く断ち切ってしまうため、身体に対するダメージは大きいとされています。)
手術後の炎症による癒着は、切開が大きければ大きいほど、広域に癒着組織を生成してしまうため、お腹の表皮が引っ張られるような感覚やつっぱり、体調の不調などに悩まれる方が多いようです。
気温の低い冬場や湿度の高い梅雨時期などの痛み
手術後に出来てしまった組織の癒着は、周辺の手術痕周辺への血行不良を招きます。
気温の低下した冬場や気圧の低い梅雨時期などに、手術痕より深いところに重い感覚や、痛みを感じるようになります。
手術後に伴う痛みの種類
手術後に感じ、手術前に感じなかった痛みのことを“手術後痛”といい、“手術後痛”は大きく2種類に分けられます。
一つは外傷や手術を行ったことによる痛みのことで、メスによる組織の切開などの際に受けた損傷やその後の炎症などによる痛みを指します。
もう一方は、メスによって受けた組織の損傷や炎症が修復、消炎し、手術痕の抜糸が終えた後に発する痛みのことです。
このような痛みは手術の内容や個人の治癒力にもよりますが、数か月以上の期間をかけ、徐々に和らいでいきますが、特定の動きをしたときや、気温が低い、湿度が高い日などには、痛みやひきつけを感じてしまう場合があります。
ここでは手術を受けた後に、感じてしまう痛みや違和感の種類をいくつか紹介します。
炎症によるもの
手術直後から感じる痛みですが、手術では、表皮や筋肉にメスを入れて切開したり、内臓を切除したりするので、組織が損傷し、その部分が炎症を起こします。
手術直後から損傷した組織が修復するまでの間の痛みの大部分は、炎症によるところが大きく組織の修復が進むにつれて、痛みが軽減されます。
ただ、この手術が招いた炎症は、大きければ大きいほど、周囲との癒着組織の生成規模も大きくなってしまうため、消炎した後に、今度は組織の引きつれによる痛みや違和感を感じてしまう場合があります。
腸の癒着によるもの
腹部を開胸する手術では、腸、腹壁に炎症を伴うため、腸同士、腸と腹壁の癒着などが伴います。
癒着してしまった腸は、腹部の一部で固定されてしまうため、自由に動くことが出来ず、捻じれや圧迫を伴います。
こうした腸の状況は、引っ張られることによる痛みや、便秘、ガスの溜まりを原因とするお腹の膨張による痛み、それ以外に体調不良、不快感など、様々な弊害に見舞われます。
身体の構造の変化によるもの
内臓の切除を伴うような大きな手術では、身体の一部を取り除いたことにより、身体の構造そのものが変わってしまう場合があります。
変わってしまった身体の構造や、手術後にできた組織が神経を圧迫してしまうことがあり特に開胸、開腹手術をされた方の多くがこの種の痛みに悩まされています。
神経の損傷によるもの
開胸手術では術野を広げるために肋骨を押し広げたり、やむ得ない切断が伴ったりする場合があります。
この際に神経が損傷、切断されてしまうことがあり、傷口の炎症による痛みが軽減した頃からこの部分の痛みを感じ始め、術後1年以上経過しても痛みに悩まされることも珍しくはありません。
傷口から離れた部分でも、ピリピリ感や締め付け感、かゆみなどを感じる場合もあります。
なかなか消えない痛みの原因
外科手術では、メスによって組織を切り離したり、切除したりするため、炎症が伴います。
炎症による癒着は、破れてしまった衣服を針と糸で縫いわせるパッチワークのようなものに近く切り傷を負った際に、表皮にできる瘡蓋(かさぶた) が、糸に相当する役割を担っています。
表皮にできた瘡蓋は、通常は組織の修復が完了するとその役割を終え、綺麗に剥がれ落ちますが、メスで表皮より深部を切開する手術では、手術痕より深い部分に生成された癒着組織が周囲と強く癒着してしまっているため、なかなか剥がれることなく、何年も(あるいは何十年も)体内に残り続けます。
このようにして体内に出来てしまった癒着組織は柔軟性がなく、その周辺の筋肉・靭帯・腱・腹膜などの物理的な動きを悪くしてしまうことに加え、血液や酸素の運搬にも支障を招きます。
このような状況は、痛みはもちろん、癒着してしまった部位によっては違和感、不快感、体調不良を引き起こす原因になっている場合も多く、結果として、QOL(生活の質)の低下に繋がってしまっているのです。
開胸、開腹手術をされた方の多くに、手術を経て気力や自信を失ってしまっている方が多いのですが、これは、手術後のQOLの低下によるところが非常に大きいのです。
手術後の痛みを改善するには?
手術後の痛みを後遺症や慢性化などと割り切り、その後の改善を断念し、痛みをガマンし続けることを多くの方が、選択されてしまっています。
手術後の痛みの中でもその後の改善が見込める場合と見込めない場合があるのは確かですが癒着が原因の場合、鍼灸治療により、かなり高い確率で、痛みや不調、違和感の改善を期待することが出来ます。
癒着が痛みの原因であることの判断方法
手術後の痛みが、癒着であるかどうかは、おおよそですが、以下のような方法で判断することが出来ます。
上記以外にも鍼灸治療で改善が期待できる手術後の痛みもありますので、手術後痛治療を得意とする当院にお問合せ下さい。
癒着組織を剥がすための鍼灸とは?
一般的な鍼灸とは、ツボに鍼を打つことで人間の身体が元来備えている生体反応を起こし筋肉の緊張を取ったり、血流をよくしたりする療法です。
身体の決まった位置にあるツボを刺激し生体反応を引き起こす事によって治療する従来の鍼灸では、傷口の深部に強く癒着した組織を剥がす効果を期待するのは難しいため、全く違ったアプローチで改善を試みます。
手術後の炎症などによって出来てしまった癒着組織に対しては、まずは癒着のポイントを探し出すことから始めます。
次に、そのポイントを鍼で破壊して、血流の流れを戻し、その流れを利用することで、癒着した組織が剥がれ始めます。
その後、その部分が新しい組織に切り替わって、元の柔軟性のある正常な状態へと戻っていき痛みや引き攣れなどの症状も改善していくのです。(クラッシュアンドビルドです。)
また手術痕に沿ってスライドさせるようなマッサージを施し、癒着組織の剥がしを促進させる事もあります。
癒着膜を剥がせる新宿西口治療院の鍼灸治療がおすすめ
手術後の痛みやひきつれ、特に開胸・開腹を伴う手術をされたされた方の多くは「後遺症や慢性痛なので仕方ない。」とあきらめてしまっている方が非常に多く、それらの改善治療を模索されないまま、痛みとの共存を選択してしまっている方が大勢いらっしゃいます。
手術してもらった病院や整形外科などで手術後痛について辛さを訴えても、こういった痛みに関しては、”病気自体は治っているので問題はない”あるいは”そのうち軽減する”といった説明をされてしまい、治療を継続しても、痛みや違和感の軽減効果に期待が持てなくなってしまったからです。
病院や整形外科などの西洋医学の分野では、外科的手術によって痛みを取り除く治療は得意としていますが、外科的手術によって発した痛みついての対処法は、実は持ち合わせていないようです。
手術後に出来てしまった癒着組織は、周辺の筋肉、靭帯、腱、骨、腹膜などと強く結びつき体内に取り残されたまま何十年も残るため、”剥がす”というアプローチの治療法でなければうまく取り除くことが出来ず、またゆちゃく組織が手では届かない深部に形成されることも多いため鍼灸以外で改善させる事は難しいのが実情です。
新宿西口治療院は、開業から18年、8万人を超える患者様の治療を通じて、病院や整形外科、一般的な整体では対処することが難しい手術後の痛みに対する鍼灸治療、施術も専門としており様々な外科的手術の痛みで悩んでいた方々に大変喜んで頂いております。
もし、
上記に該当するお悩みがある方は、ぜひ一度、新宿西口治療院へご相談ください。
まとめ
あまり知られていない手術後の痛みに対する種類、原因、その対処方法についてご紹介させて頂きましたが、痛みの原因が組織の癒着によるもので、癒着を取り除くには、鍼灸治療が有効であるということをご理解頂けましたでしょうか?
手術後の痛みは、手術そのものによる痛みと手術後に出来てしまった癒着結合によるものとの2種2段階のフェーズがあり、後者に対する痛みの原因が癒着結合によるものであることはあまり知られておらず、また自然治癒の限界と考えてしまっている方がたくさんいらっしゃいます。
手術した後の痛みを早期に改善したい、またその逆に、何年にも渡る手術後の痛みにお悩みであれば、ぜひ一度、新宿西口治療院にご相談ください。
当院では、痛みを和らげるだけでなく、QOL(生活の質)を向上させることこそが患者様の本望であると考えており、患者様に喜んで頂ける鍼灸・整体治療を常に心掛けております。